具材(素材)が主役です
おしゃれな建物でここだけ異国な雰囲気があります。お昼時に行っても売り切れているパンが多くてなかなかびっちりパンが並んでいる時に巡り合う事はありません。
いろいろなパンがありますが、どのパンからも素材の味を引き出すことを大事にしている事が伝わってきます。
レーズンパン
粒粒感がしっかり残る”瑞々しい干しブドウ”、という表現は少しおかしいかもしれませんが、ブドウ本来のおいしさを感じることができるレーズンがたくさん入っています。
レーズンは水分が適度に抜けている分、甘みが凝縮されていて、シャキッとした歯ごたえの後、レーズンの甘め強めのジューシーな甘酸っぱさが、口の中いっぱいに行き渡るか行き渡らない絶妙なタイミングでパンのうまみが顔を出して甘さを中和します。
中和されたところでまた次の一口でレーズンの甘みが広がり、そしてパンのうまみで中和されます。レーズンとパンのアンサンブルの無限ループです。
ただし、あくまで主役はレーズンです。レーズンのおいしさを飽きさせることなくパンが無限にサポートしてくれます。
ハムチーズ
歯ごたえのあるパンですが、中は空洞でそれほど厚みがあるわけでは無いため、パンの主張はそれほど強くありません。外側のカリカリに焼けたチーズが香ばしいです。
そして中には柔らかくてしっとりしたハムが折り畳まれて入っています。生ハムに火が通ったようなハムですが、塩味はそれほど強く無く、生ハムほど薄くはありません。あまりの柔らかさに最初はチーズかと思いました。中にチーズも入っているようです。それほどチーズとハムの相性が抜群で、チーズの風味とハムの塩味とやわらかな食感が織りなすハーモニーを楽しめます。
そしてパンはしっかりした歯ごたえと満足感を補ってくれます。はみ出でて固まっているチーズは、少し温めるとトトローリ溶けてカリカリチーズとはまた違ったチーズの美味しさを楽しませてくれます。
あんパン
パン生地の厚さは薄めですが、しっかりした歯ごたえがあります。パンの味もしっかり感じます。
薄めのパンにたっぷりのあんこが入っています。粒が少し残るこしあんに近いしっとり瑞々しいあんこです。甘さは控えめであずきの本来の味を感じることができます。
たっぷりのあんこが入っているので、まずあんこの甘さが口の中いっぱいに広がります。それを、薄いですがしっかりした味と歯ごたえのパンが受け止め、あんこの柔らかさに所々アクセントつけていきます。
そしていいタイミングでさくらの花の良い香りと淡い塩味が広がり、飽きさせません。あんの美味しさをパンとさくらの花が際立たせてくれています。あっと言う間に食べてしまいました。
ルヴァン
表面は固く、中は粘りが強いしっとりしたパンです。
酵母の味なのか、身からはかなり酸味を感じます。そして外側の耳の部分はカリッととても香ばしいです。外側の耳の部分だけでもお煎餅のように食べ続けられそうです。
甘みは抑えられており、小麦、酵母、そしてお焦げではないですが、焼けたパンの香ばしさがこのパンの味付けです。甘くて柔らかくておいしいパンはたくさんありますが、それとは一線を画す、酸っぱくて香ばしい、小麦を感じる味のあるパンです。
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