AM2+からAM3+へ。マザーボード交換で性能は変わる?メモリが半分に?(PhenomII)

機器・パーツ
ASRock 970 Pro3 R2.0
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同じCPUなら、AM2+マザーボード(DDR2メモリ800MHz)よりは当然AM3+(DDR3メモリ1600MHz)の方が速くなるだろう、とベンチマークを取ってみたらハプニング発生です。

AM2+より遅いし、エラーは発生する、メモリの容量は半分しか使えない、メモリの速度は半分以下?になってる…。何が起きてるの?

また説明書を読んでいなかったのが原因でした。その経緯をメモしておきます。

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AM2+のチップセットはグラフィック性能以外の違いなし(多分どれも一緒)

AM2+マザーボードには780G/SB700、785G/SB710、790GX/SB750、790FX/SB750がありますが、グラフィック性能が向上している、という違いはあれど、グラボを別付した場合は性能にほとんど違いは無さそうです。

少なくともAM2+同士の比較においては、古いチップセットである780G/SB700から新しいチップセット790GX/SB750に換えても性能の向上はみられませんでした。

むしろ古い780G/SB700の方が速かった、という結果が出ましたが、マザーボードのメーカーも異なりますし、比較する際の条件も厳密では無いので、チップセットの差というよりは、メーカーの設計方針や方向性による差なのかな、という気がします。

では、AM3+のマザーボードに換えたらどうでしょう?AM3+はメモリがDDR3になるので、DDR2のAM2+マザーボードよりは当然速くなりますよね!試してみました。

交換したAM3+マザーボードとDDR3メモリ

ASRock > 970 Pro3 R2.0
100% 全体固体コンデンサ設計AM3+ プロセッサのサポート, 8-Core CPUデュアルチャンネル DDR3 2100+(OC) 対応2 x PCIe 2.0 x16 スロット, AMD Quad CrossFireX™、CrossF...

ASRock 970 Pro3 R2.0 (ソケットAM3+、チップセットAMD 970/SB950)

キングストン DDR3 1600 (PC3-12800) 4GB CL11 KVR16N11S8/4 x 2枚 = 8GB

ファイナルファンタジーXVベンチマークの結果

いつものようにFFXVのベンチマークで比較します。何だか速く感じる?!

高品質 3840×2160(4K)

ASRock 970 Pro3 R2.0:2994(やや重い)

FINAL FANTASY XV BENCHMARK

あら?AM2+マザーのASUS M3A78-EMの時は”3172″(普通)でした。AM2+より遅い…。嫌な予感…。

標準品質 3840×2160(4K)

ASRock 970 Pro3 R2.0:3502(普通)

FINAL FANTASY XV BENCHMARK

AM2+のASUS M3A78-EMは”3692″(普通)、GA-MA790GP-UD4Hでも”3581″(普通)。それよりも遅い。おかしいです。

そして事件が起きました。

FFXVベンチマークでエラー発生!!メモリ不足?

標準品質 2560×1440 を計測中に…

ベンチマークの途中で落ちました。まさかのKP41発生!?

恐る恐るイベントビュアーを確認します。すると…

イベントID 1000 例外コード: 0xc0000374

イベントID:1000、例外コード: 0xc0000374

ヒープ領域が破壊された、というエラーらしいです。プログラムで確保しているメモリ内のデータが壊れた、データが扱えなかった、というエラーですね。

直後にはイベントID:2004、リソース消費診断イベントが発生し、以下のログが出力されていました。

イベントID:2004

Windows は仮想メモリの不足状態を診断しました。仮想メモリを多く消費したのは次のプログラムです: ffxv.exe (6368) は 7394566144 バイトを消費し、MsMpEng.exe (4124) は 305799168 バイトを消費し、NVIDIA Share.exe (1476) は 173830144 バイトを消費しました。

7394566144 + 305799168+ 173830144 = 7,874,195,456バイト ≒ 7.9GB

仮想メモリとは、RAM(物理メモリ、DDR3 8GB)が足りない時にHDDをメモリに見立てて使うHDD領域です。

「スタートメニュー」右クリック、「システム」、「システム情報」、「システムの詳細設定」で「システムのプロパティ」画面を表示し、「詳細設定」タブのパフォーマンスの「設定」で「パフォーマンスオプション」ダイアログを表示し仮想メモリの容量を確認します。

仮想メモリ

「現在の割り当て」は5.6GBになっていました。確かに足りていませんが、「すべてのドライブのページングファイルのサイズを自動的に管理する」になっているので、HDDに空きがあれば自動的に調整されて不足する事は無いはずなんですけどね。理屈上は。

きっとFFXVベンチマークのメモリ利用の勢いに仮想メモリの割り当てが追い付かなかった、ってところなんでしょうね。

それにしても、8GBのメモリを積んでいるのに、7.9GBの仮想メモリを使ってまだ足りない?合計15.9GB以上のメモリが必要??

AM2+マザーの時も8GB(DDR2メモリ)でしたが、こんなエラーは起きませんでした。

ベンチマーク時のメモリの状況をタスクマネージャーで見てみました。

メモリが半分になっている!容量も速度も

AM3+DDR3メモリ使用状況

パッと見はおかしな事に気づきませんでしたが、あれ?メモリの分母が4GBになってます。え?8GB積んでるのに…。

よく見ると「ハードウェア予約済み」が4GBとなっています。4GBも予約されて無駄になっている?AM2+の時には気になりませんでした。

しかも速度は667MHzになっています。

AM2+の時はというと

AM2+DDR2メモリ使用状況

「ハードウェア予約済み」は0.9MBです。単位が違います。8GBほぼフルで使用できています。

速度も800MHzです。AM3+のDDR3よりも速いです。

どうゆうこと?

原因はメモリの挿す位置だった…

msconfigコマンドでシステム構成画面の「ブート詳細オプション」画面を開き「最大メモリ」のチェックを外せば解消する、と紹介されていたので確認しましたが、チェックはついていませんでした。

ブート詳細オプション

チェックを入れた後、また外すと解消した、といった事例もあるようですが、私の場合は解消しませんでした。

他には、CMOSのクリア、メモリの抜き挿しで解消した、といった事例もあるようです。

CMOSのクリア、ってジャンパピンでやるんだっけ?電池抜けば良いんだっけ?メモリの速度が遅いのはBIOSの設定で解消できたりするのかな…、と改めてマザーボードの説明を見返しました。

そして気づいてしまいました。

ASRock 970 Pro 3 R2.0 のマニュアル

ASRock 970 Pro3 R2.0 memory Configurations

ん?1A1とB1に挿せ、ってことですか?

4つ全てに(BLack Slot)と書いてあるように、ASRock 970 Pro 3 R2.0のメモリスロットの色は全て黒です。Proと名乗るだけあって玄人好みでカッコよく見えますが、分かりにくいですね。

プロっぽい?全部黒メモリスロット

私は今までのマザーボードの感覚でマニュアルも見ずにCPUに近いスロットに2枚並べて挿していました。以下の図の黄色い線の部分です。

マニュアル無視の間違ったメモリの挿し方

今までのマザーボードはスロットが色分けされて分かり易かったです。プロっぽく無いけど、こっちの方がいいですね。

メモリスロットが色分けされたAM2+マザーボード

結局はマニュアルをちゃんと見ろ、って話しなんですけどね。

何はともあれ、マニュアルに従い、1番目と3番目のメモリスロットにメモリを指し直してみました。

容量は解決!でも速度は半分以下のまま…

マニュアル通りにメモリを指し直すと予約済みが減った

「ハードウェア予約済み」が2.1GBに減りました。でもまだ2.1GB使っているので、msconfigコマンドで「ブート詳細プション」を確認すると「最大メモリ」にチェックが付いていたので外しました。

以下はその後のメモリ使用状況です。「ハードウェア予約済み」が27.3MBまで減りました。

やっとAM2+の時と同様、ほぼメモリ容量の全てを使用することができました。

もう一つ問題がありました。速度が667MHzと認識される件です。

表示上のバグ?

同様の事例を検索してみると、実際の速度の半分でタスクマネージャーに表示されてしまう事例が紹介されていました。

BIOSをアップデートしたら解消した、という事例や、タスクマネージャにはバスクロックが表示されているだけで、本来の速度は出ている、といった情報を紹介するサイトもありました。

BIOSを確認してみるとDDR3-1600として認識されています。”800MHz”はバスクロックを表示しているんですね。たぶん。

DDR3-1600として認識

いや、同じBIOSですがこちらは表示が違います。DDR3-1333として認識している!

DDR3-1333として認識

PhenomIIx6のメモリコントローラは上限が1333MHz

PhenomII x6 1100T の仕様を確認すると、DDR3-1333までしかサポートしていないんですね。1つ謎が解けました。

AMD、6コアとデュアルコアのPhenom IIで最上位モデル
AMDは、6コア搭載の新モデル「Phenom II X6 1100T Black Edition」とデュアルコアの新モデル「Phenom II X2 565 Black Edorion」を発表した。

PhenomII はDDR-1333までしかサポートしておらず、それに表示上のバグで半分の速度で表示される、ということであれば、タスクマネージャーに”667MHz”と表示されてしまうことにも納得できます。

速度が半分で表示されるが実際の速度に問題はなさそう

メモリ不足は解消されたので、とりあえずベンチマークをやってみることにします。実際に”667MHz”であればDDR2の”800MHz”よりも遅いはず。

高品質 3840×2160(4K)

ASRock 970 Pro3 R2.0:3226(普通)

速くなりました!ASUS M3A78-EMの時は”3172″も超えました。

“667MHz”は半分で表示されているだけのようです。実質的な速度に影響はなさそうです。

以下は解像度を変更して比較した結果です。4K標準でM3A78-EMに逆転されていますが、その他は上回っています。DDR3の効果が出ていますね。良かった…。

メモリを指す位置を間違えていた時は、メモリ不足かつシングルチャネルで動作していたためDDR2に負けていたようです。

※太字がASRock 970 Pro3 R2.0、細字はASUS M3A78-EM、GA-MA790GP-UD4H

マザーボード970 Pro3M3A78-EMGA-MA790GP
解像度\CPUPhenom1100Phenom1100Phenom1100
高品質 3840×2160 322631722936
標準品質 3840×2160 366536923581
高品質 2560×1440 466645354428
高品質 1920×1080 483447424693
標準品質 1920×1080 592358705693
FINAL FANTASY XV BENCHMARK

まとめ

メモリスロットが色分けされていないのマザーボードを使う時はマニュアルを良く読み挿す位置を確認しましょう。

メモリの挿し方を間違えると、丸まる「ハードウェア予約済み」にされてしまい容量が無駄になってしまうことがあるようです。

タスクマネージャーのメモリの速度表示が半分の速度で表示されてしまうバグがあるようですが、実際の速度に影響はないようです。

BIOSのアップデートで速度表示が正しく表示されるようになるかは今度確認してみます。

ぱんはげ
ぱんはげ

その後、最新の(といっても2016/6/29)Ver2.80のBIOSに更新してみましたが、タスクマネージャーの表示は変わらず”667MHz”でした。

タスクマネージャーのバグなのか、誰のバグなのかは不明ですが、実質的に問題なさそうなので気にしないことにします。

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