おっさんが新人だった頃には「プロパーだからね」とか言われて「?」でした。
その後もどんどん新しい「?」言葉が増えていきましたね。周りが使うし、知らないと会話が止まるから、結局おっさんも覚えて使うんですけど、なんか小っ恥ずかしいというか、カッコ悪く無いですか?
使っている人はカッコいいと思って使うんでしょうね。知ってて当然、ってマウント取ってくる人もいますね。あぁ、マウンティング、とかマウント取る、とかも使っちゃってますね。
嫌いな会話の例
部長:今日のキックオフのアジェンダは?ペンディングになっていた件は解決したのかい?
課長;はい。冒頭のレジュメにまとめています。サスティナブルな企業経営の実現に向け、これらの戦略を説明します。
部長:この案は事前に部内のコンセンサスはとったのかい?プロパーにとってのインセンティブがあまり感じられないけど、皆何をモチベーションに推進するのかな。
課長:前回のプロジェクトで成果の見える化が有効である事は実証済みです。リーダーには佐藤主任をアサインしており、キックオフで見える化推進をコミットしてもらいます。今回佐藤主任で行くことは事業部にもオーソライズ済みです。
部長:見える化による効果のエビデンスは取ってあるんだね?各部のシナジーで大きな成果が期待できるかもしれないな。でも新しいスキームだし実働は佐藤主任としても課長である君がイニシアチブを取って誘導してくれ。
課長;承知しました。資料はこれでフィックスしアーカイブしておきます。
訳
部長:今日のプロジェクト立ち上げ会議の検討議題・進行の流れは?保留になっていた件は解決したのかい?
課長;はい。冒頭で要約としてまとめています。恒久的かつ持続可能な企業経営の実現に向け、これらの戦略を説明します。
部長:この案は事前に調整して部内のメンバからの合意は得られているのかい?当社社員にとっての意欲の源になり得る動機付けがあまり感じられないけど、皆何を動機に推進するのかな。
課長:前回のプロジェクトで成果の見える化が有効である事は実証済みです。リーダーには佐藤主任を任命しており、プロジェクト立ち上げ会議で見える化推進を宣言してもらいます。今回佐藤主任で行くことは事業部にも展開し了承を得ています。
部長:見える化による効果の根拠となる裏付けはあるんだね?各部の相乗作用で大きな成果が期待できるかもしれないな。でも新しい枠組みだし実働は佐藤主任としても課長である君が率先して誘導してくれ。
課長;承知しました。資料はこれで修正完了とし皆が参照できるよう共有フォルダに置いておきます。
なぜカタカナビジネス用語を使うのか?
以下のような理由が思い当たります。①は初心者、経験を積むにつれ②、③の理由で使うのだと思います。
①何となくカッコいいから。外国語っぽいですし、俺はこんな言葉を知っているんだぞ、と優越感を得られる。ビジネスマンになった気になれる。
②内容が無い話でもそれっぽく意味があるように話す事ができる。
カタカナで英語っぽく言うことで、日本語で言うより輪郭がボケて曖昧な感じで話せます。言葉の解釈を相手に委ねることができるので、相手によっては「意味のある深い話」だ、と解釈してくれる可能性があります。裏を返せば「頭悪そう」、て思われる可能性もある、てことですね。
③言葉の意味を詳しく説明する必要が無くて楽。
意味を理解して使っている人にとっては、これが一番の理由だと思います。まず、ビジネスマンなら知っていて当然、と言う前提で話すことできるので、日本語でいちいち丁寧に説明する必要がありません。説明せずとも相手が調べてくれます。「部内のメンバに根回しして合意は得ているのか」を「部内のコンセンサスは取ったのか」と短く言えます。若い子が「了解」を「り」、「あーなるほどね」を「あね」と省略するのと一緒ですね。
まとめ
実際、前述の「嫌いな会話な例」の「訳」を書こうとしたら面倒臭かったですし、かったるい感じがしました。訳した言葉も何だか野暮ったい言葉に感じたりもします。
嫌い、と言いつつ、使わない事が難しいくらい染まってしまっている、と言う事ですね。
女子高生が謎の略語で楽しく会話しているのと一緒、と考えれば、ビジネスマン同士が円滑に会話を進めるために覚えておくべき言葉なんでしょうね。
でも、相手に優しく無いですよね。相手が好んでカタカナビジネス用語を使う人なら合わせて使って良いと思いますが、「当然知っているよね?」という体で自ら連発するのはカッコ悪いのでやめておきます。
そこは大人でいたいですね。
(補足)由来や語源
一部のカタカナ語ですが、とても分かり易いサイトがあったので紹介します。「レジュメ」はフランス語だそうです。「デジャブ」や「コラージュ」、「オマージュ」、「マリアージュ」の仲間ですね。英語の雰囲気とは違います。ビジネス用語までフランス語を取り入れるなんて、日本人はほんとに全世界の文化を取り入れますね。
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