ソケットAM3+の(ほぼ)頂点へ
AMD Athlon Ⅱ X4 630 にGeForce GTX1070Ti を付けたのを始まりに、以下の変遷を辿り、AM3+マザーボードに付けられる(ほぼ)最高峰の8コアCPU AMD FX8350(4.0GHz)に至りました。今更ですけどね。
CPUとマザーボードの変遷
【AM2+マザーボード,DDR2(8GB)】
Athlon Ⅱ X4 630(2.8GHz) → PhenomII X4 965(3.4GHz) →
Phenom II X6 1090T(3.2GHz) → Phenom II X6 1100T(3.3GHz)→
【AM3+マザーボード,DDR3(16GB)】
Phenom II X6 1100T(3.3GHz)→ FX8350 X8 (4.0GHz)
FX8350をCPUファンとセットで9000円弱で購入しましたが、果たしてそれだけの価値はあったでしょうか?
構成
UEFIマザーボード: ASRock970 Pro3 R2.0 Socket AM3+
グラフィックボード: Palit GeForce® GTX 1070 Ti デュアル
ドライバーのバージョン:461.09
CPU: AMD FX8350 X8 (4.0GHz)
PC電源 : ATX550W電源(NE550C)
メモリ:DDR3 1600 (PC3-12800) 4GB CL11 KVR16N11S8/4 × 4枚 = 16GB
ストレージ: SSD 256GB(THNSNH256GCST)
モニター : BenQ EW3270U(31.5インチ 4Kモニタ )
OS : Windwos10 バージョン20H2
ファイナルファンタジーXVベンチマークの結果
高品質 3840×2160(4K)GPUスケジューリング:ON
FX8350 :2975(やや重い)
え?やや重い?
「やや重い」なんてAthlonIIの時に見た以来です。何が起きている?
標準品質 1920×1080(フルHD)GPUスケジューリング:ON
FX8350 :5383(やや快適)
PhenomII X6 1100Tでは6220「快適(スコア6000~8999)」でした。
全然速くなっていません。
その他の解像度
以下は解像度を変更して比較した結果です。
GPUスケジューリング | ON | OFF | ON | OFF | OFF |
M/B(メモリ) | 970 Pro3(DDR3) | ← | ← | ← | M3A78-EM(DDR2) |
解像度\CPU | FX8350 X8 | ← | Phenom1100 X6 | ← | ← |
高品質 3840×2160 | 2975 | 3075 | 3096 | 3226 | 3172 |
標準品質 3840×2160 | 3416 | 3411 | 3624 | 3665 | 3692 |
高品質 2560×1440 | 3772 | 4218 | 4717 | 4666 | 4535 |
標準品質 2560×1440 | 4937 | 4642 | 5899 | 5632 | – |
高品質 1920×1080 | 4239 | 4390 | 5115 | 4834 | 4742 |
標準品質 1920×1080 | 5383 | 5386 | 6220 | 5923 | 5870 |
FX8350(8コア)にしたのに軒並みPhenom1100T(6コア)より低い結果になってしまいました。
AM2+マザーボードM3A78-EM(DDR2)よりも遅いとは…。何かがおかしいです。
4コアしか認識されていない?
何が起きているのか?タスクマネージャーを確認してみます。
CPU使用率が70%前後に対し、GPUは100%です。CPUには余裕があるように見えます。
速度も2.82GHzしか出ていません。CPUが遊んでる?GPUは限界?よく見ると、CPUが「コア:4、論理プロセッサ:8」となっています。
リソースモニターを見てみます。
CPUは8つ認識しているようですが、これが「論理プロセッサ:8」ってことなのか、物理的に8コア動いているのか、これでは判断できません。
デバイスマネージャーも確認します。
CPU8個が問題なく認識されています。ドライバーに問題があるわけではなさそうです。
CINEBENCHの結果
CPUのベンチマークを見るため、CINEBENCHをやってみました。FX8350でやった後、CPUをPhenom1100Tに交換して比較してみました。
CPUのベンチマークでもFX8350FX(2145)がPhenomII1100T(2662)に負けてしまいました。
コア数が変わればWindowsの再インストールが必要では?
CPU壊れてる?とも思いましたが、4コアだけ壊れますかね…。ネットを検索すると、「4コアしか認識されない」、という似たような事例が数件QAにアップされていましたが、最終的に故障だったのか、解決したのか、が分かりませんでした。事例もそれほど多くは無いようです。
そういえば、過去に似たような経験をしたデジャブ感…。
AthlonII X4 630 → PhenomII X4 965 → Phenom II X6 1090T と、アーキテクチャの異なるCPUに変えた時、ブルースクリーンが頻発したことがあり、クリアインストールで解消しました。
その際、「CPUのアーキテクチャが変わるようなCPU交換をした場合はWindowsのクリアインストールを行った方が良い」、 と自分の中では結論づけたのですが、実は今回Windowsのクリアインストールはやっていないんですよね…。だって面倒なんですもの…。
でも、4コアしか認識していないようだし、やるしかないですね。
引継ぎインストールではどうか?
とは言ったものの、やはりまた一からWindows環境を構築し直すのは億劫です。
Windows10のダウンロードサイトからWindows10インストールツールをUSBに落とし、再インストールを実行してみたところ、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」というパターンが選べるんですよね。
これなら環境を作り直す必要はありません。誘惑に負けてこのパターンを選択してみました。インストールに1時間程度かかりましたが、果たして結果はどうか?ドキドキ…
がっかりです。変わらずコア数は4でした。
やはりクリアインストールしなきゃダメなのね…。
「4コア」の表示を見てがっかりし、この時ベンチマークは行いませんでしたが、実はクリアインストールしても表示は「4コア」のままでした。ここでベンチマークをやっていたら実は速くなっていたのかも?でも、6コアだった時の設定を引き継ぐので、たぶん結果は変わらなかったと思います。
クリアインストール後、8コアの性能を発揮!
諦めてクリアインストールを行いました。ドキドキしながらタスクマネージャーを確認したところ、認識しているコア数は変わらず、「コア数4、論理プロセッサ8」のままです。
えー…。がっかり。FX8350の仕様を確認しましたが、物理的にコアは8個あるようです。やはりCPUが壊れているんでしょうか…。
もう他にできそうな事も思い当たらないので、ベンチマークをやってみました。
CINEBENCHの結果
おっ?(3133)ということは、前述の結果(2145)より1000ポイント近く速くなりました。PhenomII 1100T(2662)よりも500ポイント近く速くなっています。
3DMark
5619(非常に良好)です。世の平均(5756)には及びませんが、まずまず良い結果が出ました。
ちなみに以下はクリアインストール前の結果です。クリアインストール後はCPUスコアが1000ポイント程アップ(2026→3025)しました。
ファイナルファンタジーXVベンチマーク
高品質 3840×2160(4K)GPUスケジューリング:ON
FX8350 :3062(普通)
ギリギリ3000台、普通です。期待していたほど速くありませんが、4K高品質ではCPUよりもGPU、GTX1070Tiの限界が3000台前半なんだと思います。
標準品質 1920×1080(フルHD)GPUスケジューリング:ON
FX8350 :6985(快適)
「快適」が出ました。PhenomIIの6220よりはっきり上回ったことが確認できました。良かった…。
その他の解像度
以下は解像度を変更して比較した結果です。
GPUスケジューリング | ON | OFF | ON | OFF | OFF |
M/B(メモリ) | 970 Pro3(DDR3) | ← | ← | ← | M3A78-EM(DDR2) |
解像度\CPU | FX8350 X8 | ← | Phenom1100 X6 | ← | ← |
高品質 3840×2160 | 3062 | 3150 | 3096 | 3226 | 3172 |
標準品質 3840×2160 | 3611 | 3709 | 3624 | 3665 | 3692 |
高品質 2560×1440 | 4980 | 4972 | 4717 | 4666 | 4535 |
標準品質 2560×1440 | 6170 | 6132 | 5899 | 5632 | – |
高品質 1920×1080 | 5401 | 5446 | 5115 | 4834 | 4742 |
標準品質 1920×1080 | 6985 | 6896 | 6220 | 5923 | 5870 |
4K高品質においてFX8350がPhenomII1100Tに負けていますが、それ以外は全てにおいてFX8350が上回りました。8コアの実力を確認できました。壊れてなくてホッとしました。
WQHD(2560×1440)でも標準品質なら「快適」が出るようになりました。
また、高解像度・高品質ではGPUスケジューリングをONにすると遅くなる傾向にありましたが、WQHD(2560×1440)、HD(1920×1080)の標準品質であればGPUスケジューリングをONにした方が速くなることが確認できました。おっさんは高解像度・高品質が好きなので、GPUスケジューリングはOFFにすることにします。
まとめ
一時はどうなることかと焦りましたが、FX8350 X8 の性能が確認できてホッとしました。
9000円かけてPhenomII X6 1100T から変更するだけの価値があるか?といえば、微妙なところではありますが、速くなったのが確認できたので満足です。
ただし、4KではFXもPhenomIIもそれほど違いはありません。こうなってくると、今度は更に性能の高いGPUが欲しくなりますね。こうして沼にハマっていくのですね。
今回の件で改めて、CPUを替えた場合、特にコア数やアーキテクチャが変わった場合は、Windowsのクリアインストールはした方が良さそうです。
CPUを差し替えただけでも一見何事もなくWindowsは動きましたし、ブルースクリーンも起きず、そのまま使えるのでは、と期待しかけましたが、結局クリアインストールすることになりました。
Windowsの内部で何が起きていたのかは分かりませんが、6コアで動いていたのが突然8コアに変えられてWindowsが混乱していたのでしょうか。そんな感じに見えました。
なお、FX8350のコア数の表示は「コア数4、論理プロセッサ8」と表示されますが、たぶん、結果が出ているのでこれで正常なんだと思います。
Ubuntuはどうなんでしょうね?再インストールが必要なのかな。今度確認してみます。
さて、これから消したアプリを少しずつ入れ直しです。
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