今日たまたま見てしまいました。「ヒーリングっど プリキュア」第42話「のどかの選択!守らなきゃいけないもの」
以前子供と一緒に見ていたので、今でもたまに見ることがあります。といっても、もう子供はすっかり見なくなりましたけどね。
この前見たのはアスミが登場した頃でした。新しいプリキュアが登場する時は盛り上がるので、見られてよかったです。最初と新プリキュア登場と最後が見られれば満足です。
もう2月になるので話も佳境に入っているようでした。
悪い人が困っている…どうする?
ダルイゼンを助けなかったのどかは悩んでいた
どうやら主人公ののどかは悩んでいる様子です。敵であるダルイゼンが、敵のボス:キングビョーゲンから追われ、のどかに「かくまってくれ」と助けを求めたのですが、のどかはその手を払い拒んでしまったからなんですね。
あるある。敵が寝返るパターン。今までもありました。「HUGっと!プリキュア」のキュアアムールも最初は敵でしたね。
敵が寝返ってプリキュアになる。しかもアンドロイド。これはこれで斬新でした。後にも先にもこんなプリキュアはいないのでは?ルールー・アムール。どこか綾波レイに通ずるものがありますね。
話が逸れました。
のどかはつい拒んでしまったけど、困っているダルイゼンを助けなかった事を後悔しているんですね。家でも食欲が無いし、学校でも上の空。
きっとこの後ダルイゼンを助けに行って、秘密を一人で抱えるパターンかな?結局仲間にばれて「どうして一人で悩んでいたの?私たちはいつもあなたの味方よ!」とかね。
助けたダルイゼンも味方になって、一緒にキングビョーゲンと戦うことになるんだろうな…。
ラビリンはそんなのどかを…
その夜、のどかのパートナーであるラビリンは、のどかを心配し「ダルイゼンを助けたかったの?」と尋ねます。
そうそう。助けたかったけど、みんなのことを考えて助けられなかったんだよね?とおっさんは予想。
するとどうでしょう。のどかの答えは「違うの。助けたかったわけじゃない。」ですと?
どうやらのどかは今までのダルイゼンの身勝手な素行が許せなかったようです。どんなに困っているからって、困った時だけ都合よく「助けてくれ」なんて、とても受け入れられなかったんですね。
助けなかったのは正直な気持ちからでした。だけど、敵とはいえ困っている人を見捨てた、って事に優しいのどかは罪悪感にかられ悩んでいた、ということです。
助けなかったのは本心だったとは。あら、予想外。
昔は「本心は助けたかったけど、周りの人の事を考えたらできなかった」、という周りを優先し自分を抑えるパターンが多かった気がします。
のどかはしっかりと自分の気持ちを優先した行動を取っていました。昔の子とは違います。
そんなのどかに対し、ラビリンは「のどかがそう思うならそれでいいんだ。のどかがやりたい様にやればいい。誰が何と言おうが僕はのどかの選択を尊重するよ」的なことを言ってのどかを励まします。
正確なセリフは覚えていませんが、そんな内容だったはずです。ラビリン、素晴らしいよ…。
このシーンはウルウルしました。歳を取るとこうした真っ正直なやり取りを見るだけで込み上げてくるものがあります。
ちなみに昔だと、こんな時はラビリンが何らかのアドバイスをして諭していそうです。「困っている時はお互いさまだよ。憎い敵だけど、今は助けてあげよう!」とか。もしくは的外れな事を言って周りをハラハラさせるとか。
ラビリンはできた上司。もしくは理想の親のようです。
困っている人を助けなくても良い
ダルイゼンは、「このままではいずれキングビョーゲンに見つかって取り込まれてしまう。」と、ダメ元でメガパーツを取り込み巨大化し暴走します。
のどかはキュアグレースとして他のプリキュアと一緒に巨大化したダルイゼンと戦います。
すると、暴走し暴れるダルイゼンはまたのどかに助けを求めるのです。「これは本当の俺じゃない。助けてくれ。」
そんなダルイゼンに対し、のどかは「助けたらどうするの?元気になったらまた悪事を働くつもり?先の事も考えずに困った時だけ都合よく助けを求めてんじゃねー!」と言ってダルイゼンを叩きのめします。
セリフは正確ではありませんが、確かこんな感じの事を言っていたと思います。
そして、倒れたダルイゼンは、キングビョーゲンに見つかり、吸収されてしまいます。ダルイゼンを吸収したキングビョーゲンは更に進化し強大になります。
何という事でしょう。まったく予想外の展開です。
昔のアニメだったら、敵から二度も「助けて」と言われれば、一度目は迷ったとしても、二度目は許してあげるでしょう。それにより敵も更生し、一緒になってラスボスと戦う、そんな流れが定石です。
でも、のどかはダルイゼンを助けませんでした。自分の正直な気持ちに従い、ダルイゼンを叩きのめしました。
おっさんはこれを見て、ヒモ男やDV(ドメスティックバイオレンス)の男に苦しむ女性の構図が重なりました。
「資格を取るためにどうしても10万円必要なんだ。今月だけ助けてくれないか?」「ごめん、さっきはカッとなってつい手が出てしまったけど、もう絶対こんな事はしないから。俺にはお前しかいない。捨てないでくれ。」とか言ってる男、いますよね。これがダルイゼン、ってことですね。
そんな男を助けてたって、更生もしないし、終わりもありません。「助けてくれ」と言われているのを断ると、誰だって罪悪感にかられます。でも、そこにつけいるのがヒモ男やDV男です。
それを断ち切らなきゃダメだ!ってことをのどかは教えてくれました。それを後押ししたのがラビリンです。
プリキュアのターゲットは大人
深い…。
おっさんが予想するような、「敵を助け、それにより敵が更生し、一緒になって戦う」なんて安っぽいストーリーは過去の物なんですね。
そうしたストーリーも過去のプリキュアにはありましたが、プリキュアは何年もやっていますからね。そんな在り来たりはストーリーはやり尽くしているのでしょう。
プリキュアには、最近の世の社会問題、女性の課題、男性の課題、親子の課題、などが何気に取り上げられ、それに対する解決方法や提案が、のどかや周りの仲間の行動で示されているようです。
そんな事をメインターゲットの幼児や小学生には分かるはずもないでしょうが、一緒に見ているお母さん、お父さんが「うんうん」と頷いて見ていそうです。実際、おっさんがそうです。
プリキュア。侮れません。中高生以上、大人が見ても浄化されます。
「お手当」って、何かいいですね。おっさんもお手当されたい…。
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