私には中学生の子供がいるのですが、会話の中で「木になりたい」と言い出しました。
木?
さすがにこれには心配になりました。デザイナーやYoutuber など、子供がなりたそうな職業は予想できても、まさかの「木」?
想定外、というか、メンタルは大丈夫か?
はたしてその真意とは?
最近の子供は何でも知っている
子供と話をしていると、会話のレベルが大人相手と変わらない、と感じる事が多々あります。
大人相手と変わらない、と言っても、難しい言葉を本来の意味も分からず雰囲気で使っている時もあり、そこは中学生らしいのですが、世の中で問題となっていることや、やってはいけないことを良く知っているし、大人以上に敏感です。
コロナウィルス問題
最近の身近なところでは、新型コロナウィルスの感染防止の意識ですね。緊急事態宣言下における大人の行動…。宅飲みや路上飲みに始まり、感染がリバウンドするかもしれない中で行われるオリンピックなど、気になることは多いようです。
私もゴルフに行くのを反対され諦めました。いや、ゴルフは屋外だし、レストランも利用しないし、お風呂も使わず帰ってくるし…。と、言いかけたんですが、大人としてやめておきました。
Youtuberが緊急事態宣言下で深夜まで大宴会をやっていた、というニュースに対しても、「この人も出てたんだ」、と冷めた反応ででした。
大人に対しては厳しいのに、それでいて自分は友達と映画を見に行ったりするところはまだまだ子供です。親として行かせていいのか、止めるべきなのか難しいところですが、どこにも遊びにいけない中、映画館では会話もしないし今のところクラスター発生、というニュースも聞かないので行かせました。
老後問題・ヤングケアラー
お酒を飲んでいると「死ぬからやめて。高校生で看病とかは勘弁して。」と言われました。
昔はお酒は百薬の長、と言われていましたが、最近は少しのお酒であっても百害あって一利なし、といった研究結果が出ているようです。
私もそれを知っていたので言い訳できませんでした。「分かったよ、週末1日だけにするよ。」と言うしかありませんでした。
週1にしてみたところ、「この日を待ってました!」感が出てしまい、反動で1回で飲む量が増えました…。二日酔いになって1日が無駄になってしまい、大人として恥ずかしいですね。これを機にお酒の飲み方自体も考え直します。
また、保険についても少し考えました。若いころから「医療保険」「がん保険」に入っていますが、この年になったら入院費よりも「死なずに済んだけど介護が必要」な状態になるリスクを心配した方が良いのでは?と感じました。
子供に「今から介護は嫌だよ」と言われたことをきっかけに、いろいろ見直すことにします。
地球環境・温暖化・SDGs
最近は学校でSDGsを習うんですね。私も最近SDGsを知りました。
肉を生産するのに二酸化炭素等どれくらいの温室効果ガスが出るのか、といったことも習ったようです。
夕食のおかずに出た肉を食べることにも少し考えるところがあるようでした。
私が中学生だった頃も既に地球温暖化の話はありました。しかし、その頃は家庭ゴミを畑で燃やしていた時代です。小学校の頃は学校に焼却炉があって用務員のおじさんがそこでゴミを燃やしていた記憶があります。
親から「ゴミを燃やしてきて」と頼まれた時、温暖化の事を話して抵抗してみました。その時の親の反応がどうだったかは覚えていませんが、結局他に選択肢が無くモヤモヤしながらゴミを燃やしました。
当時はゴミ回収という公共サービス自体が整備されていなかったんだと思います。世の中が地球温暖化の問題に薄々気づきつつも、まだまだ行動には結びついていませんでした。
今はSDGsとして明確にゴールが定められています。しかし、解決しなければならない問題ははっきりしていますが、子供が何をしたらいいのか、何をできるのか、というところまでは落とし込めていない様子でした。
問題だ、と教えられるのに何もできない。私がゴミを焼いていた時に感じたモヤモヤに通じるところがあるかもしれません。
スマホ依存・ゲーム依存・溢れる情報
御多分に漏れず、私の子供もYoutubeが大好きですし、こちらから止めてやらないと何時間でも動画を見ています。
友達ともLINEで何やら会話していますし、ネットのゲームもやります。
勉強もネットで調べます。
たぶん、学校の勉強以外の情報はほぼネット(Youtube)から得ています。まぁ、私自身もネットニュースで情報を得ているので大差ありません。
テレビも見ますが、習慣的に見ている番組はありません。そういえば最近ソニーブラビアを買ったので、テレビでもYoutubeを見ています。
子供用にスマホは渡してはいませんが、あの手この手で借りる理由を探してはiPadを借り、借りられないときはブラビアでYoutubeです。
iPadを使う時間を決めたり、罰金制・報酬制など長時間は使わないような仕組みを考えるのですが、どれも長続きしませんでした。
たぶん、子供自身もゲームばかりしていてはダメだ、Youtubeばかり見ていてはダメだ、と分かっています。でも、問題だと認識していても自分で止められないんですね。
最近は、iPadを借りに来た時は貸し、自分で止めるまで放っています。でもあまりに長いときは紛失モードにして強制終了します。
世界中の情報や遊びが詰まっている道具ですから、この誘惑に負けず自制するのはなかなか難しいですよね。私が子供の頃の環境とは違いすぎます。
解決しなければならない問題ばかり…そして学校生活・勉強・友人関係
世界で起きている様々な問題、身近なところでは親の介護や高齢化社会問題、そしてスマホ依存になるかもしれない自分自身の問題。問題だらけです。
問題に溢れている世の中だけど、何をしていいかは大人は教えてくれません。だって、大人も分からないんですから…。
それでいて、勉強もしなければならないし、友達とも合わせなければならない。
勉強しないと「将来なりたい職業につけないぞ」と脅され、クラスに嫌な奴がいても「社会出ればもっと嫌な奴もいるんだから、今のうちに慣れておけ」と宥められる。
これでは「世の中ってどんなところなんだよ?」と不安になりますし、逃げたくもなりますね。
でも、だからといって校舎の窓ガラスを割ったりしません。破壊がマイナスでしかない、何も解決しないことをちゃんと知っているからです。
父さんの時代はそんな時代だったんだぞ、なんて言ったら「バカ?」「マジ引くわ」と言われそうです。
最近の子供は、立派かも。少なくとも私が中学生だった頃とは比較になりません。
木になりたい理由とは
そう。こんな問題だらけの社会なんだと学校で教えられ、親からもこれが現実だと突きつけられ、逃げ出したいんです。
大人が先送りにしてきた課題が山積。誘惑も多い。でも遊んでいたら一生貧乏かもしれない。だから勉強もしなければならない。面倒な友達にも合わせなければならない…。
もうこんなことばかり考えていると疲れるから木になりたい。
木は人間と違ってそんなこと考えなくていい。しかも木は地球の役に立っている。だから木になりたい。
そういう理由でした。
それを聞いてちょっと安心しました。木は二酸化炭素を吸って酸素を作りますからね。地球温暖化防止に役立つ存在です。だから木だったんですね。
人間の世界からは逃げ出したいのに、地球環境には役に立ちたいだなんて、我が子ながら立派です。褒めてあげました。緑色の皮膚で光合成ができてもいいかも、とも言ってましたが、ちょっと恐いかもね。
「木なんて言うから心配したんだぞ」と伝えたところ「本気なわけないじゃん。なれるわけないんだし。いちいちこんなことで心配されたら重い。ウザい。」とのこと。メンタルは大丈夫そうです。
そういえば私も若いころは「人間は地球のガンだ」と思っていた時期がありました。
きっとその頃私が感じていた感覚と似たものを感じているんでしょうね。
ちなみに今は人間を地球のガンだとは思っていません。自分最優先な所はガンに似ていますが、それはどの生物にとっても同じこと。人間は客観的に自分を見て考えることができますからね。ガンとは決定的に違います。
心配するあまり先回りして子供に課題や問題ばかり教えてあげるのも考え物ですね。
世に羽ばたく前に希望を見失いくじけてしまいそうです。
人間の良いところや問題解決の糸口も教えてあげたいですね。人間のいいところ…説明できます?
Z世代~α世代は進化している…ニュータイプ
生まれた時からインターネットで様々な情報に触れていると子供は考え方も大人っぽくなります。
そして色々なことを一通り知っています。浅くて薄っぺらいですけどね。でもそれは大人も一緒です。
インターネットに情報が溢れ、誰もが平等にアクセスできるようになり、子供と大人の違いは経験の長さだけになりました。
でもこの差は絶対的に覆せない差です。だから子供は大人の経験に基づくアドバイスは聞いた方が良いです。それは間違いありません。
だからと言って「最近の若い者は…」と若者を見下すことはできませんね。
なぜなら自分が同じ年頃だった時と比べれば一目瞭然です。最近の若者の方が視野も広く、考え方も大人です。そうです、進化しているんです。生物は進化し続けていますから、昔より今の子供や若者の方が優れているのは当たり前。
そんなZ世代やその次のα世代、その次はβ世代?はどんな世界を目指すんでしょう?
ニュータイプが作る未来は期待できる
小さいカプセルが繋がった世界
大量に物を持って物欲を満たす、一か所に多くの人が集まる、そんな従来の価値観は前時代的な価値観になっていくのでしょうね。
形で表すと、従来はピラミッド、Z世代以降は小さな無数のカプセルが網で繋がっている、そんなイメージです。
ジェンダー・性的マイノリティ問題は克服しているはず
子供が聴いていた曲が良かったので誰の曲?と聞いたら”女王蜂 – 火炎”の動画を見せてくれました。
つい、「アブちゃんって男なの?」と聞いたら「分からない。でも、そこ大事?どっちだっていいじゃん。」と言われました。
その通りです。Z世代ではジェンダーや性的マイノリティ問題は克服しているでしょう。
個性が優先され大事にされる世界。個が尊重されるほど少子化は進みます。でも、少子化万歳です。食料危機や環境問題も解決に向かいます。
少子化でも生活できるスタイルを考えれば良いのです。
大金持ちは流行らない
大きな家を持ち、高級車を何台も持って、プライベートジェットで世界を飛び回る。そんな現代の大金持ちのイメージにZ世代は憧れを持つでしょうか?
何だかカッコ悪いですね。オールドスタイル、オールドタイプの価値観です。
Z世代は余計な物は持たない、脳内で楽しめればよい、そんなスマートなイメージがあります。
PS5で好きな車も運転できるし、GoogleアースにVRゴーグルで世界中飛び回れるしね。
かつて世界中のトップアーティストが集い、何万人も集め巨額の寄付金を集めた伝説のチャリティーコンサート「ライヴエイド(LIVE AID)」。
これはこれで物凄く意味のある活動ですが、昔のやり方です。裕福な人が「戦争はやめよう、飢餓をなくそう」と呼びかけ巨額のお金が集まっても、単発の活動で飢餓は無くなりません。
おなかが減っている人がいる限り本能は剥き出しになります。争いも無くなりません。
超富裕層の資産を再配分しない限り、根本的な解決は無理でしょう。
Z世代の価値観なら、きっとこんなピラミッド型の世界が変わる気がします。
でも、大金持ちから税金という名の下に義務としてお金をむしり取ろう、という考え方には疑問もあります。
大金持ちに「払ってもいいかも」と思わせるサービスや名誉を与える、そして払ってもらう側もお金持ちに敬意を払って頂戴する、そんな仕組みが必要です。
そうした仕組みづくりは今の世代にだってできそうですね。
3Dプリンタで食糧問題も解決
肉を食べるためには、家畜の餌となる植物を大量に栽培し、家畜に与える必要があります。
でも、これからは植物から3Dプリンターで肉を作れる時代です。
二酸化炭素も牛のゲップから出るメタンも大幅に削減できるはず。
食糧難の国に、生の肉や野菜を送らなくても、原料のタンパク質や炭水化物を送れば良いので、無駄も無くなります。
まとめ:昔の価値観を捨てれば未来は明るい
インターネットネイティブなZ世代以降の価値観は、物を大量に所有して物欲を満たす、といった体感型の旧来の価値観から、物なんて無くても脳内で満足できれば良い、という脳内型の価値観に変わっていくでしょう。
そう、物なんか無くてもいいのです。ヴァーチャルでいいんです。
本物の肉じゃなくても、おいしければ良いんです。
草食化上等、少子化上等、無欲上等。多種多様、突出したお金持ちはいないけど、社会主義ではない、自由がある、大規模なイベントはいらない、自分がやりたいことを(脳内で、ネットの世界で大々的に)それぞれ実現する。そして環境問題や貧富の差も解消している。世界中と繋がっている。
SDGs達成です。そんな世界になっていく気がします。今の若者たちならそこに至れる気がします。
古い価値観に囚われない君たちの未来は明るい。
オールドタイプの我々も若者に丸投げせず、今から未来の仕組みづくりをしていきましょう。
SDGsの究極は映画「マトリックス」の世界です。ここまで行くとちょっと不気味なので、ここまでには至らない、ちょうど良い世界を目指しましょうね。
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